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境界知能

発達障害(知的な遅れを伴わない):発達の凹凸による社会への適合しづらさ
境界知能:認知機能の全般的な低さ

一般的に、IQ(知能指数:認知能力を測定するための指標)の基準値は100で、平均値は90~109の間です。IQ130以上は、先天的に高い知能や学習能力、突出した才能を持つ「ギフテッド」と呼ばれる人たちです。
IQ110以上はIQが高い、IQ85以上は正常、IQ70~85は境界、IQ50~70は軽度、IQ25~50は中等度、IQ25以下は重度の知的障害と判定されます。

トラブルをよく起こしたり、生き辛さを感じている人がいると「発達障害なのでは!?」と疑われることがよくあります。でも、彼らの中には境界知能(IQ70~85)の人も多いのです。
飲食店やコンビニなどで悪ふざけをする迷惑動画🔥ふつうの人には、彼らがなぜあんな馬鹿なことをするのか、理解できませんよね。

境界知能の人は、自分が不適切な行動をとっている自覚がそれほどない
不適切な行動をとる度に、周囲から呆れられ、怒られ、罰を与えられます。ですが、彼らは何度怒られても罰を与えられても、再び問題を起こします。境界知能の人の精神年齢(認知能力)は、小学生中学年の子たちと同じだからです。

失敗体験を生かせず、「叱られた」という陰性感情の記憶だけが残る
境界知能の人は、自分が怒られている理由がよく分かりません。でも、謝らないと更に怒られるので、「もう絶対にしません!」と謝ったり反省する姿は見せます。でも、また問題を起こしてしまう。でも、怒られなくないから、必死に隠したり、嘘をついたり、騙したりします。この、でもでもでもの繰り返しが負のループ∞(習慣)となり、どんどん信頼を失っていきます。
怒られてばかりなので、自己肯定感も低いです。対人関係も上手くいかず、不登校になったり、仕事も長続きしないことが多いです。寂しいから、人から優しくされるとNOと言えず、都合よく利用されてしまいます。

境界知能の方をサポートする場合、「やればできる!」という健全な自己効力感や自己肯定感を高められる体験をさせていく必要があります。
①「何故それをしてはいけないか」を考えさせるよりも、「 それをしない方が良いことがある」という成功体験を積み重ねていくことが大切です
②試行錯誤(トライアンドエラー)で、より良い選択を勧め続けること
③分からないことを分からせようとせず、できることをゆっくり(スモールステップで)継続して習慣化させていくこと
私は、摂食障害に悩む方のサポートもこれと同じことをしています。

依存症の人には、発達障害や境界知能の人が非常に多いと言われています。
怒られたくない。嫌われたくない。
でも何をどうすればいいか分からない。
だから、頑張るしかない。
でも心はいつも虚しさでいっぱい
心にできた大きな穴を埋めるために過食するという負のループ∞
繰り返すことで、自分にはこれしかできないんだという認知の歪み(思い込み)ができあがり、対処法(視野)が狭まってしまうのです。

境界知能の人たちに起きやすい問題の一例
言われた通りに仕事ができない→だから転職を繰り返す
叱られても、背景が読めないため、被害者的に受け取ってしまう→だから失敗を繰り返す
悪友からの誘いを断れない →だから問題行為を繰り返す
犯罪行為に巻き込まれて、利用されてしまう→だから孤立を繰り返す
大金を騙し取られても気づけない→だから金銭的損失を繰り返す
周りに支えてくれる大人がいない
加害行為や逸脱行為を内省できない
生活リズムを整えられない
依存傾向が強い

例えば、境界知能の人が悪友からの誘いを断れないのは、精神年齢が低いため、誘われることを「友達の証」「対等な大人として認めてもらえている」と感じてしまうからです。女性の場合、誘いを断れず性交渉してしまったり、性加害に遭いやすくなります。

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