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3月のひとこと

●○○活動
 大多数の人が当たり前にすると思っていた進学、就職、結婚、妊娠が当たり前のことではなくなってきています。就活、転活、婚活、離活、妊活など○活という言葉にさほど違和感を覚えなくなった昨今、その活動をしていてもなかなか思う通りにいかなくて・・・と悩む方の相談が増えています。
 周りを見れば、ふつうに就職、ふつうに結婚、ふつうに妊娠している(ように見える)人たちがたくさんいるので、それができない自分に自信を無くて落ち込んでしまいます。頑張って活動してもその成果を感じられなかったり、努力の結果が見えないと、自分は「選ばれない人間」なんだと思うようになります。「なぜ私だけが・・・」と報われない気持ちや疎外感に苛まれるようにもなります。
 
 皆さん「もうどうしたらいいか分からなくて・・・」とおっしゃいます。こうなったときに大切なのは「どうしたらいいのか」を必死に考えることではなく、「心を落ち着かせること」です。心を落ち着かせるためにカウンセリングを利用することはとても有効な方法だと思います。自分が発した言葉に耳を傾けながら、今の自分が置かれている状況や心境を客観視できるからです。話すことは放つこと。少しずつ心が落ち着いて来ます。心が落ち着いてくれば、どうしたらいいの?ではなく、自分はどうしたいのかが自然と分かるようになります。今の自分にできること・できないことを受け止め、どうにもならないことを保留にする勇気も出てきます。
 
 心が落ち着かない自分に対して「今、私は不安なんだな」とか「今、私は怒っているんだな」と気づくことも大切です。それだけで気持ちが落ち着くこともあります。「気づく」とは「自分の気持ちを認める」という行為なので、心が安心するのです。
 
 よく耳にする話だと思いますが、不安になったり怒りを感じた時に『深呼吸』をしてみるのも良い方法です。深呼吸は自分の感情に「気づいた」からこそできる行為であり、自律神経を自分の意思でコントロールできる唯一の方法です。思い立ったらどこでも気軽に他人やものを頼らずできるのも利点の1つですね。 時間をかけて深く息を吸い込むと大量の酸素が脳に行き渡るので、気持ちが落ち着くと同時に頭の働きも良くなります^^

*深呼吸のやり方 ~深呼吸の長さと落ち着きは比例します~
1)ふぅーーーーと息を吹き出しながら15秒かけて(適当でいいですが)吐き切ります。
2)息を吐き切ったところで、すうっと息を吸い込みます。
3)1と2を10回くらい返すと、狭まっていた視界が開けてきますよ☆

 抱えている不安をゼロにするのは難しいですが、減らしていくことはできます。その1つの方法として「計画」があります。自分の状況や気持ちを考えながら無理のない計画を立てるのです。例えば「今月は○○だけ取り組もう」とか「週末だけ○○をする」など。小さな目標を設定すれば実行できていることに安心したり、それが自己肯定につながっていきます。
 
 特定の生き方を強制されない時代になりつつある今、人生において何を諦めて何を諦めないかは個人の選択の自由だと言われるようになりました。そんな時代だからこそ、自分はどうしたいのか、どうしたくないのかを深刻に悩んでしまう方が増えているのかもしれません。
 雑誌『FRaU』2016年3月号のロングインタビューの中で、「子どもを持たない人生を選択したことについて一片の後悔もない」と言っている女優の山口智子さん。「人生において大事なのは、自分のスタイルを見つけることだと思います。人を真似する必要はありません」と話す山口さんの凛とした姿に感銘を受けたり、勇気をもらえた女性は多いでしょう。幸せは人それぞれ違うもの。違ってていいんですよね。

2016年3月1日
摂食障害カウンセリング あや相談室主宰
摂食障害カウンセラー 長谷川あや

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