摂食障害専門カウンセリングルーム あや相談室

Home > 今月のひとこと > 12月のひとこと | 摂食障害専門カウンセリング あや相談室

12月のひとこと

一緒にいると楽しい、安心する、ワクワクするという人ばかりならいいのですが、会うと必ず疲れる、落ち込む、イライラする・・・という相手もいますよね。もし、あなたがそんな風に感じるならば、相手とあなたとの心の境界線(バウンダリー)が薄れて、相手との距離が近くなり過ぎている証拠です。

●バウンダリーとは
バウンダリーは、自分と他者とを区別する境界線のことです。
自分の置かれた立場や相手との関係性によって、私たちがその都度対応を変えられるのは、このバウンダリーがしっかり機能しているからです。バウンダリーが曖昧だと、「人は人、自分は自分」とは思えず、常に相手の言動が気になってしまうし、気にしてしまいます💦

バウンダリーがしっかり機能している人(自分の領域と相手の領域の区別ができる人)の特徴
自分の領域に責任を持つのと同時に、相手の領域を侵害しない。
(自分には分からない)相手の事情があるのだろうと認識している。
表裏がない、陰口、悪口、噂話をしない。
自分のしたいことを大切にする/多様な意見やライフスタイルを尊重する

●バウンダリーが機能していない人(自分の領域と相手の領域の区別ができない人)の特徴
自分とは違う意見を言う人がいると、「(自分を)否定された!」と感じてしまう
相手が自分にとって「敵か味方か」で区別しようとする
自分の気持ちを素直に言えない
相手の気持ちを察するのは当然だと思っている。
他人を、自分の「こうあるべき!」で縛りたがる
他者との距離が近い

●バウンダリーが機能していない原因
幼少期は他人との距離感が近く、バウンダリーもあいまいですが、『個』ができあがるにつれ、自分と相手との境界線がはっきりしてきます。
ところが、幼少期に親子間での関係に葛藤があった、他人に攻撃されて怖い思いをした、大切な人を喪失してしまったといった体験をしていると、健康的なバウンダリーの作り方がわからなくなり、もろくて弱いバウンダリーを抱えて生きていくことになってしまいます。
人から傷つけられてきた人は、自分の領域に他人が土足で踏み込んできて傷つけられてきた人でもあります。そのため、本来、誰にとっても尊重されるべき「自分の領域」が良く分からないのです。ということは、「他人の領域」も分からないし、それを尊重することもできません。

●バウンダリーがあいまいだと、
自分の領域と他人の領域の区別ができないと、人間関係において様々な問題や悩みが生じやすくなります。
人から傷つけられてきた人は、自分を守るためにいつも相手の顔色を見て、相手の気持ちを「察する」ことが当たり前になります。それは「お互いの気持ちは、ちゃんと伝え合わなければ分からない」ということを知らないということでもあります。
バウンダリーがあいまいな人は、「私の気持ちを察してほしい」という思いが強く、ちゃんと相手と話し合うということをしてこなかったはずです。自分と違う意見を相手が述べると、すぐに「自分を否定された!」と思い、気持ちが激しく揺さぶられて不安定になり、分かり合おうとする努力を諦めてしまうのです😢

相手があなたとは違う意見を持っているということは、相手が「相手の領域」の中で自分の意見を持っているだけであり、あなたと関係のないことです。つまり、相手が自分の意見を言ったところで、あなたのことを肯定も否定もしていないわけです。これと同様に、「自分の領域」の中のことが分かるのは自分だけです。相手の気持ちを察するのは当然のことではありません。
ちなみに、バウンダリーがあいまいな者同士だとお互いに適度な距離を保つことができず、共依存に陥りやすくなります。

さて、ここまでバウンダリーのあいまいな人の特徴、その理由、バウンダリーがある人との違いを説明しましたが
実は、人から傷つけられた経験があろうがなかろうが、女性の多くがバウンダリーがあいまいです。というのも、女性は男性よりも、「人は人。自分は自分」とは思えないことがイロイロとあるからです💦

●男性に好かれる女性は、女性に嫌われる
男性に好かれる女性は、女子力(女性らしさ)が高いです。でも、女子力が高い女性は、女性からは嫌われます。逆に、女子力が低い女性は女性から好かれます。

●女性らしさとは、
いわゆる世間一般で言われている「女性らしさ」のほとんどが「外的なもの」であると思います。
外見の美しさ、性的魅力、きめ細かな気配り、女性らしい仕草などなど。これらはどれも目に見えるものです。目に見えるものということは、「女性らしさ」はかなり明確にマニュアル化できるものであるということであり、現にマニュアル化されているものです。

男性の多くが、このマニュアル化された「女性らしさ」を好みます。当然です。このマニュアルを作ったのは世の男性なのですから。
そして、女性は誰もが多かれ少なかれ「女性らしさ(女子力)」を演じて生きています。つまり、女性らしい(女子力が高い)女性とは、男性に好かれるためにそれを演じている女性なのです。

女子力の高い女性が、女性から嫌われる理由はここにあります。女性は、「男性に好かれるための振る舞い方をしている女性」を見ると、簡単にそれを見破れます。でも、男性は?というと、すっかり鼻の下を伸ばしちゃったりしてますよね(笑)

男は、女性らしい女性が好きなんです。演じていようがなんだろうが好きなんです。キャバクラの女性たちがあからさまに女性らしさを演じていることを男性はよく分かっているうえで、大金を持ってクラブに行きますよね💦

選ばれし者がいるということは、
女性らしい女性が、男性からちやほやされる、彼氏ができる、結婚できる・・・となれば、その女性はまさしく「選ばれし者」です。でも、選ばれる者がいるということは、選ばれない人がいるということです。だから、女性は、演じる女を見ると不愉快になるのです。
職場で、男性が何の気なしに「あの子かわいいね」と言ったとします。それを聞いた他の女性たちにとってその言葉は、「あの子はかわいいと言われたけど、私は言われなかった」に変換されます。
男性の発した何気ない言葉に大迷惑している女性は案外多くいるものです。自分は全然悪くないのに、男性のその言葉1つで女性群から総スカンを受けてしまうことがあるからです。男性の皆さん、特定の女性にやさしくしたり褒めたりするときは、くれぐれも気を付けてあげてくださいね!(笑)

一方、女性らしさを演じていない、いわゆる女子力の低い女性は、女性群からはそれほど嫌われたりしません。むしろ好かれます。そういう人といると自分の女子力が安心し安定するからです。
ちなみに、男性だって外見は大事です。ただ、男性の魅力はマニュアル化しにくく、外見だけを磨いたところで女にモテたりはしません。また、女性側に男性に好かれたいという思いがある限り、女性vs女性のトラブルもなくなりません。

●自分はどうしたいか
とはいえ、今は多様化の時代です。女性らしさを演じずとも、魅力的な女性はたくさんいます✌
「誰が選ばれるか」にびくびくして過ごすサバイバルゲームに疲れて降りた人、そもそもゲームに参加していない人も増えてきています。

「どうしたら選ばれるか」「どうすれば好かれるか」「どうしたら魅力的に見えるか」と考えるのではなく、「自分はどうしたいか」「どういう魅力を持ちたいか」を大切にしている人たちがそうです。いわゆる女性の目で相手を見ずに、「どんな振る舞いをしようと、私の(或いはその人の)自由よ♡」と自分の心が決めた、パウンダリーがしっかり機能している人たちです☘

今月のひとことを書きながら、今まであんまり意識してきませんでしたが、「女性らしさ」にまつわる様々な問題についていろいろ考えさせられました・・・。

今月も皆さまといろんなお話ができることを愉しみにしています☺
どうぞよろしくお願いします♡

令和3年12月1日
摂食障害カウンセリング あ相談室主宰
産業カウンセラー 長谷川あや

«
»
ページの上に戻る