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7月のひとこと

●金魚鉢理論

金魚が20匹いる金魚鉢の中央に透明なアクリル板を入れて、片方だけに金魚を寄せ集めて、反対側に行けないようにしておくと、金魚は反対に行けないことに気づいて半分のエリアだけで暮らすようになります。しばらくして、そのアクリル板を取っ払いました。どうなると思いますか?

金魚は反対側には行けないことを学習してからはそう思い込んで過ごしているため、アクリル板を取った後も今までと変わらず、鉢の半分だけで生活をするのです。これを心理学では「学習性無力感」と言います。

金魚たちはどうしたら今はもうアクリル板のない向こうのエリアにも行くようになると思いますか?

答えは、「新しい金魚を2、3匹金魚鉢に入れる」です。当たり前の話ですが、新しい金魚は鉢の中を自由に泳ぎ回ります。元々いた金魚たちもそれを真似て自由に泳ぎ回るようになるのです。

元々いた金魚たちの不自然な動きに、新しい金魚たちはいとも簡単に気づきます。「あれ?なんで、みんな向こうには行かないの?」って。新しい金魚たちにとってこの気づきにはなんの努力も能力も要りません。この金魚鉢理論は、人間の社会や家族内での問題点について説明するときによく例えで出てくる話です。

私たち人間も、自分の置かれている状況を客観的に見て冷静に分析するということがなかなかできません。家族や職場の関係に慣れてしまうと、ちょっとした違和感をスルーしてしまったり、大きな問題が生じていたとしてもそれに気づこうとしなかったり動こうとしなくなってしまいます。

そんなあなたを、あなたの外側にいる人(部外者)は客観的に見ることができます。そのため、あなたがひとりで頭を抱えていた問題について、あなたがハッとしたり、視界がパっと開くような指摘や助言をさらりと言ってのけたりします。そして、それを求められる仕事をしているのがカウンセラーです☘

不安や焦りで自信を失って、自分のことを客観的に見られなくなっているクライアントの方との対話で、カウンセラーが深く理解したり共感する態度ができるのは、その方の完全に外側にいる人間だからです。利害関係がないからこそ、俯瞰して見ることができるのです。

ただ、そういう仕事をしている私も、自分自身の問題となるとなかなか冷静に見つめることができず、定期的に或いはスポットでカウンセリングを受けています。

カウンセリングを受けると、自分が今泳いでいる金魚鉢の中の状況が本当によく見えるようになります。実は水が濁っていたとか、酸素不足だったとか、栄養が足りなかったとか、ストレスがたまっていたとか。自分のメタ認知能力(金魚鉢の外側から自分を見る能力)の低下に気づくことができます。「気づくということは自分を客観視できている」ということなので、落ち着きも取り戻せるし、何よりも安心します☺

特にこのコロナ禍&梅雨時☂は行動範囲が狭まり、動かないし動けないしで、本当に金魚鉢の中にいるような感じがしてきます。空模様と同じで、心も体もモヤモヤしてスッキリしません💧

女性は毎日2万語はおしゃべりしないといろんなものが溜まっていってしまうそうですよ…💦私自身、カウンセリングを受けるとおしゃべりって本当に大切だなって思います(笑)モヤっとしたら皆さんもカウンセリングを利用してほしいです✌

今月も皆さんといろんなお話ができることを愉しみにしています♡

令和3年7月4日
摂食障害カウンセリング あや相談室主宰
摂食障害カウンセラー 長谷川あや

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