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2月のひとこと

今日は、誰もが無意識にしている「認知的不協和」と「自己正当化」についてお話したいと思います。
これら(認知的不協和理論)を理解すると、日常の困り事や不安を解決したり、ビジネスに役立てることができます☺

●認知的不協和理論とは
ものすごく簡単に言ってしまうと、脳が「つじつまが合わなくて気持ち悪いなぁ💦」と感じた時に、その不快感をなくそうとして「もっともらしい理屈をつけて納得しようとする」ってことです。

煙草で例えて説明します🚬
喫煙者が「煙草は体に良くないんだよな~💦」と思いながら「煙草を吸う」と、その思いと行動に矛盾が生じます。私たちは自分の思いと行動が一致しないと矛盾を感じ、矛盾を感じると不快になります。この心の状態を「認知的不調和」と呼び、この不快感を軽減・解消しようすることを「認知的不調和理論」と言います。

●人は、自分が変えやすい方を変えたがる
煙草は体に良くないから吸わない!とできたら矛盾は解消できますが、愛煙家にとってそれは難しいことです。かといって、「健康に悪いのは分かっている煙草を吸い続ける」ということも不愉快です。
そこで、「煙草はストレス解消になる」「吸わない方が健康に良くない」「煙草を止めると太る」「喫煙者で長寿の人間もいる」「交通事故で死ぬ確率の方が高い」などと思うことで煙草を吸う自分を正当化し、認知的不協和を軽減しようとします🚬

●あなたの目に留まった本のタイトルや帯の言葉は、どんな言葉ですか?
商品の紹介に客の認知的不協和を軽減させるフレーズを付け加えると、商品の売れ行きがとても良くなります。例えば「3日で終わる~」とか「漫画でわかる~」などなど。
「忙しいけど〇〇の資格が取りたい」と考えている人が参考書を探しているときに、「時間がない人ほどはかどる〇〇問題集」という本を目にしたら、同様に、「自分は偏差値がとても低いけど、有名大学に入学したい…」と思っている人が「偏差値35からの東大合格!」という本を見つけたら、読んでみたいと思いますよね。

●太りにくいケーキ🍰なら食べたい!
認知的不協和は、人の心を誘惑するといった意味でも使われます。
甘いものが好きなあなたは「食べたい!」と思うと同時に「太るから食べない方が良い」と思います。この「食べたい」と「食べない方が良い」の相反する方向性の認知に不快感が生じます。太りたくないあなたがケーキをおいしく食べるためには、あなたの認知の不適合状態を何らかの理由で解消する必要がありますよね?
客のこのニーズを利用して、コンビニはケーキのラベルに「カロリー少なめ」「低脂肪」「低糖質」「ライザップ監修」などのポップを付け、従来のケーキより少し高い値段で売ることにしました。太りにくさを伝えるフレーズとプチリッチ感が相まって、売れ行きは好調です♪
このように、売れる商品には客の「認知的不協和」をスッキリさせて且つ購買意欲を向上させる心理作戦が仕掛けられているのです。

●矛盾を解決させる張り紙🖊
商業施設のトイレに、「いつもきれいに使っていただき、ありがとうございます」という張り紙を見かけたことはありませんか?この張り紙を見ると、無意識にそのトイレを汚さないようにしようという心理が働きますよね。これぞ、認知的不協和理論を上手に使ったクリーン作戦です♪

認知的不協和理論は、日常生活でも有効に活用できます。
たとえば「部屋を掃除しなきゃいけないんだけど、したくない」と言う人は、「私の部屋はとてもきれい✨」と書いた紙を目に留まりやすい場所に貼っておきましょう。すると、その紙を見るたびに「私の部屋はとてもきれい」という言葉と、散らかっている部屋との間に矛盾が生じるため、矛盾を解消しようとして「片づけよう!」という気持ちが強くなります♪

皆さんも「やりたいけどやりたくない・・・」と思うことがあれば、それが達成できているかのように紙に書いて、目立つところに貼っておくといいですよ。シンプルな言葉でも十分効果はあります✌たとえば、「なんとかなるさ」「ま、いっか」「大丈夫」「自分(わが子)を信じる」「楽しくなってきた」「逆にチャンス!」などなど。

私は育児中、子供にイライラしてしまう自分がとても嫌で、冷蔵庫やトイレのドアなどよく目に留まる場所に「ま、いっか~」と書いた張り紙を張りました。心では全然「ま、いっか」とは思えない時も、この張り紙を目にするたびに「ま、いっか」と声に出して言うようにしてみたら、その張り紙を見なくてもそう思えるようになりました♪
嬉しかったのは、子供たちもその張り紙を見て「ママ、ま、いっかだよー」と笑顔で言ってくれたことです☺お陰さまでうちの息子二人は見事な「ま、いっか」成人になりました(苦笑)

●「一度親切にしてくれた人はまた親切にしてくれるようになる。だがこっちが恩をきせた場合にはそうはいかない」
これは、認知的不協和理論を活用し、距離のあった相手と仲良くなったという話に出てくる名言です。
皆さんもお近づきになりたい人がいたら認知的不協和理論を活かして、その人にちょっとした頼み事をしてみてはいかがでしょうか?

私たちはなるべく人を頼るまい、頼るのは悪いこと、相手に迷惑だろう…と思いがちですが、人から頼られるのって案外嬉しいコトなんですよね☺
私もカウンセリングの依頼をしてくださった方のことがいつも気になるし、好きになってしまいますもん💛

今月も皆さまといろんなお話ができるのを愉しみにしています☘
どうぞよろしくお願いします。

令和3年2月1日
摂食障害カウンセリング あや相談室主宰
摂食障害カウンセラー 長谷川あや

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