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9月のひとこと

今月は怒りについて書こうと思います。
誰だって、出来ることならばいつも心穏やかににこやかに過ごしたいと思っていることでしょう。でも、心を乱されたり不快な思いをさせられると、相手に対して怒りが込み上げてくる(;`д`)

●なぜ怒りを感じるのか
そもそも、怒りそのものは悪いことではありません。温和そうに見える人も、怒りの感情は必ず持っていますし、意識すれば感じずに済むようなものでもありません。
怒りは、自分にとって何が大切なのかを教えてくれるサインです。自分が守りたいと思っているものを雑に扱われたり否定されたり、邪魔されたり攻撃されたときに私たちは怒りを感じます。

●怒りの方程式(こうあるべき!×マイナスの感情×マイナスの状態)
「約束は守るべきこと」と思っている人が、待ち合わせの時間に遅刻してきた相手に怒りを感じた時の場合。
相手の人に、自分との約束を軽く思われた(雑に扱われた、馬鹿にされた、下に見られたなど)と感じています。しかも自分は寝不足で疲れている・・・なんて状態であれば、怒りのレベルはぐぅんと増すでしょう。

●怒り具合は「自分の問題」
こうあるべき!という信念やこだわり×マイナスの感情(不安、憎しみ、寂しさなど)×マイナスの状態(多忙、不眠、疲労、空腹)。この3つが強ければ強いほど、重なれば重なるほど、怒りの炎は強く燃え上がります🔥
つまりその人の持つ信念やマイナスの感情や状態の強さによって、怒り具合が変わるのです。

●アンガーマネージメント
この怒りの方程式を知ることで、私たちは怒りを感じた時に、「自分が大切にしていること」に対して「相手はそれをそれほど大切にしていないかもしれないという不安を感じたんだな」「そういう不安を感じやすい状態なんだな」と、自分の怒りについて冷静に受け止められるはずです。これを「アンガーマネージメント」と言います。

●怒り🔥のメモ帳
怒り専用メモ帳を用意して、どのような出来事が起きたときに怒りを感じたのか、その「出来事」を書きます。
次に、その時に阻害された自分が大切にしていた「こだわり」「マイナスの感情や状態」を書きます。これらが重なり、どの程度の怒りになったのかも書きます。こだわり、感情や状態、怒りのそれぞれの強さの度合いをLevel1~10の数で書くとより分かりやすいですね。

しばらく時間を置き、その出来事を冷静に思い出せるようになったら、自分がどんな場面で(人、場所、状況など)怒りを感じやすいのかも考えて書き加えましょう。

例えば、同僚Aに言われてもなんとも思わない言葉を、同僚Bに言われるとすごくむかつく理由は何かとか。月曜日は平気なのに金曜日はイラつくのはなぜかとか。
怒りのメモ帳を読み返しながら、気づいたことを書き加えながら、自分の怒りのパターンや傾向が分かってくれば、それらの対処や回避が可能になってきます。同様に、怒っている相手に対しても、怒りの方程式を使って分析してみるといいですね☺

●反射的発言はご法度
怒りを感じたときに絶対にしてはいけないことがあります。それは、何も考えずに反射的にものを言うこと・言い返すことです。
後先考えずに放った言葉です。その後の展開が良いわけがありません。覆水盆に返らずです😢

どんなに頭に来ても、その場ではカッとならないこと。中には、「相手が悪いのにですか?「自分は悪くないのにですか?」「何も間違っていない自分が負けた気がしてしまいます」と言う方もいるでしょう。

そもそも、怒りの目的は相手を言い負かすためのものではなく、相手に今どうしてほしいかを伝えるためのものです。冷静に伝えられる気がしないならば、黙っている方がましです。とにかくその場を一度離れて、怒りのメモ帳を開く。この習慣をぜひとも身に着けてほしいと思います。

●もし、あなたが逆の立場、つまり誰かが感情的に言った言葉に傷ついて苦しんでいるとしたら、
それは相手があなたに勝ちたい!と思って反射的に言ってしまった発言であり、決して相手の本心や事実だとは思わないようにして、自分の身を守ってあげてください。

必ずしも誰もが被害者になるわけではありません。
相手の放った不快な発言を、あなた自身が「事実」として受け入れないことがとても重要になってきます。
相手の不快な発言に動揺したり、罪悪感を持つことは、あなたが自分で自分を「私はあなたの言う通り、ダメな人間です」と認めたことになってしまいます。

あなたを打ち負かそうとしている人は、動揺したり罪悪感を感じているあなたの姿を見て、自分に優越感を感じ、ますますあなたをいじりたくなります。

だから、不快なことを言われても決して動揺を見せないことです。何を言われても、「(内心で)それはあなたの主観でしょうが」と捉えられるよう努めましょう。「自分が悪いのかもしれない・・・」と思わなければ、相手に振り回されることもありません。怒る方も怒られる方も冷静さを見失わないことが大切です。

●批判的なことを言われたとき、
自分に非があるならば謝るのが当然ですが、何度も繰り返し謝っていると、これまた相手の攻撃を誘ってしまいます。周りにいる人たちが、あなたがそれ(攻撃)を望んでいるのだなと勘違いしてしまうこともあります。

パワハラの認定が難しいのがこういうケースです。パワハラの被害者がいやいやそうしているのだとしても、周りの人たちは、被害者自身がそうしたくてそうしているのだろうと思ってしまうのです。自分が加害者にも被害者にもなりたくないがために、自分のとって都合の良い解釈をしてしまうんです。

●そんな勝手な解釈を職場内に定着させないためにも、
もし不快な言葉を言われたら、そのまんま丁寧に伝え返しましょう。
例えば、「お前そんなこともわかんねーのかよ!」と言われたら、「お前そんなこともわかんねーのかよ!ですか」と伝え返すのです。「あなたは今確かにこう言いましたよね?」と確認する感じで。周りの人たちにもちゃんと聞こえる音量でいつもより声を低くして言い返すこと。

自分のパワハラ発言を自分の耳で聞き直して我に返った相手は、そんな自分を恥じたり焦ったりするはずです。「なんだと?」と激高する輩もいるかもしれませんが、周囲の人のあなたを見る目は変わってくると思います。

●自分に懐いてくれている人のことは怒りにくい
誉め言葉に上手下手なんてありません。どんな言葉でもいいので、「ありがとう」「助かった」「あなたのお陰で」「感謝している」「嬉しい」などの言葉は出し惜しみせずにどんどん贈りましょう❤贈り物はもらった人だけじゃなく、あげた人の気分も良くします。
褒め上手な人はコミュニケーションスキルが高く、組織で働く上でとても有利だと思います。褒めるのが苦手な人は、褒め上手な人を真似して、褒め言葉のボキャブラリーを増やしていくと良いと思います。

●「そんなことも知らないの?」と言われたら、
即座に「教えてください!」と言ってしまいましょう。相手は、あなたより自分の方が優れていることをアピールしたいわけですから、素直に頼ってあげるべし。教えてもらったら「やっぱりすごいですね!」と言ってあげれば100点満点です。これは媚びでもなんでもありません。
下手に出たら自分の負けだ!と嫌がる人もいますが、「知っているかどうか」なんてしょぼい見栄や論点にはこだわる幼稚な人よりも、前向きに仕事と向き合おうとしているあなたの方が誰が見ても「大人」です。

もし「自分で考えろよ!」と返されたら?そうです、倍返しです(笑)周りに聞こえる程度の落ち着いた低いトーンで「自分で考えろよ!ですか」と返しましょう。

●最後に、
怒りは才能でもあります。怒りのエネルギーで凄いことを成し遂げる人はたくさんいます。怒りを感じることで情熱や想像力が沸いてくることもあれば、「見返してやるー!」と頑張れることもあります。

しょっちゅう怒っていても、愛される、尊敬される、いわゆる人気者の人もいます。そんな人の特徴として、「何をしたいのかが明確」「身内思い」「夢が大きい」があるようです。要するに器の大きい人ですね。
となると、怒ってばかりで人気のない人は、「何をしたいのかが不明」「身内に甘いor冷たい」「夢がない」となりますかね。こちらは信頼されていない分、すぐにパワハラの疑いをかけられてしまうので、心当たりがある方はどうぞお気をつけください。

どんな感情も出さずに我慢しているとどこかで爆発してしまいます。小出しできればいいのですが、小出しするのが苦手だと自覚している方は、利害関係のないカウンセラーの私に溜まった感情を一気に放し、利害関係のある人の前では冷静でいられるといいなーって思います❤
あなたの職場にいるいつもクールで格好良い上司や、いつも笑顔の友人も定期的にカウンセリングに通われているのかもしれません☺

今月も皆様といろんなお話ができることを愉しみにしております。
どうぞよろしくお願いします。

令和2年9月1日
摂食障害カウンセリング あや相談室主宰
摂食障害カウンセラー 長谷川あや

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