摂食障害専門カウンセリングルーム あや相談室

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7月のひとこと

「ずっと頑張ってるのに全然報われない」とか「私だけが我慢している」と思われている方は、もしかしたら頑張り方を間違えているかもしれません。
頑張り方には、努力と我慢があります。
この2つの違い、皆さんはご存じでしょうか。

努力とは、目標の実現のため、心身を労して努めることです。達成したい目標があり、そのための行動をしているのであれば、それは努力していると言えます。努力をするには、現状を肯定すること(自己肯定感)が必要です。
一方、我慢とは、辛い事を耐え忍ぶことです。耐え忍ぶことが目的であり、達成したい目標はありません。我慢のベースには自己否定感があります。

「努力が報われた」と言うことはあっても、「我慢が報われた」と言うことはありません。「努力が実った」とは言うけど、「我慢が実った」とも言いません。逆に、「我慢強い」とは言うけど、「努力強い」とは言いません。
努力も我慢も、頑張ることには変わらないのに。なぜ、我慢は報われないし実ることもないのでしょう。

努力には目的やゴールがありますが、我慢には目的もゴールもないため、そこに意味を見いだせず、不満ばかりが募ります。そのため、「一体なんのためにこんなことをやっているんだろう・・・」と深いため息が出たりします。ゴールがないから延々と我慢が続く。そこから我慢強いと言う言葉が作られたのでしょうか。でも、今の時代、我慢強いなんて誉め言葉でもなんでもありません。

では、忍耐強いならどうでしょう。実は、忍耐力と我慢も似て非なるものです。
忍耐力は、苦しくても耐えながら反省点を見つけて、改善を重ねていくことです。努力と忍耐力は似ていますね。この2つをセットで使うことは多そうです。
一方、我慢とは、自分の周りで嫌なことが起こったとき、それを嫌なものとして渋々受け入れる行為のことです。

努力する人は、現状の改善を考え、日々成長していきますが、我慢をするだけの人は現状維持を続けるだけで、変化や成長を望めません。「自分は我慢だけをしているんだな」と気づかれた方は、今、本当は自分は何をしたいのか、何を改善したいのかを考えてみてほしいと思います。もしその後も同じ行動を取り続けるとしても、そこに意味を見い出し、自分で納得した上でのことならば、それは努力に転じます。

ところで、皆さんは今の自分が好きですか?
大好き!とまでいかなくてもいいとは思うのですが、迷うことなく「嫌い!」「大嫌い!」と即答する方は、自分のしたいことがなかなか見つからず(分からず)目標も見い出せないのではないかと思います。そんな方を見ると、今までどれだけ我慢をして頑張って生きてきたんだろうて思います(;_:)私もその一人だったわけですが。

私たちはいろんな欲求を抱きますが、その中で最も高い欲求が「自己実現」です。
この欲求が満たされるためには、「自分の可能性を信じて前進しようとする気持ち」が必要です。ところが、自己肯定感が低いと、自分の可能性を信じられず、そのための努力をすることが出来ません。代わりに、ゴールのない我慢ばかりを自分に強いてしまうこともあります。
そのままずっと我慢し続けていくと、更に自己否定や不平不満、被害妄想が高まっていきます。「なんで私だけが?」「どうして自分ばっかり」という愚痴が出てくるのは、我慢している証拠です。
例えば、自分のしたいことのために努力して勉強している人と、ただただ我慢して勉強している人とでは、結果やその後の成長に大きく違いが出ます。

自分では努力だと思っていても、実はものすごく我慢をしている人ってとても多いです。
我慢に我慢を重ねた結果、強いフラストレーションが体の内外に放たれることもあります。我慢に我慢を重ねた結果ということは、相当我慢強いということになるわけですが、当の本人は、「みんなも同じことをしている」「これくらいやって当たり前」と本気で思っていたりします。
このような人はいわゆる良い子タイプであり、物解りがよくて知的です。また、周りの人の気持ちを読み取り、汲み取るのが得意です。
このタイプの人が我慢をして頑張るのは、何らかの見返りや結果が出ることを求めて「努力」をしているとも言えます。
でも、先に書いたように、我慢すれば、結果が伴うかといわれるとそういうわけではないんですよね。我慢を開放していくことが唯一の治療(解決法)であることは「頭では理解できる」のですが、体が納得していない。

先日お会いしたクライアントのMちゃんもそうでした。我慢に我慢を重ねた結果、心身症を患っていました。そんなMちゃんの心情や状況を更にややこしくさせているのが、彼女のお母さんの言動でした。
例えば、「無理しないでいいのよ」という言葉。良い子タイプのMちゃんはお母さんのその言葉を聞いても全然心が晴れません。むしろとても苦痛です。親が心配すればするほど、子供も我慢してしまうという負のループ。
Mちゃんから、「母に、無理しなくていいよと言われると発狂しそうになります。でもあやさんから同じことを言われるとほっとして泣きそうになります。なんでだろう」と言われました。確かに、同じ言葉でも、言う相手が違うと捉え方が全然違ったりします。Mちゃんの場合、どうしてもお母さんの前では「良い子でいなければ!!」となってしまいますが、利害関係のない私の前だと素直になんでも話せるとのこと。
カウンセリングを通して、ありのままの自分を確認するかのようにして少しずつ受け入れていったMちゃん。その証拠に「(ダメな自分でも)ま、いっか」と言うことが増えてきました。
そして、先日、「あやさんのお陰で今がある」と言ってくださいました。もちろん、そう言って頂けたことはとても嬉しいし光栄ですが、カウンセリングを継続して利用してくださったのはMちゃんご自身の意向ですし、そのカウンセリングの代金を支払ってくださったのはMちゃんのお母さんです。
Mちゃんが「ずっと我慢」から解放されたのは、MちゃんとMちゃんのお母さんが現状維持の我慢を止め、現状改善の努力をした成果です。「自分のお陰で今がある」という自覚は、今後のためにもお二人にちゃんと持っていて頂きたいなと思いました。

最後に、我慢はしてはいけませんよ!と言っているわけではありません。
誰だって日々努力も我慢もしています。それがふつうのことだと思います。でも、もし「我慢してばかりで辛い」とか「頑張っているのに全然報われない」とか「愚痴が止まらない」と思ったら、ちょっと立ち止まって、その我慢を努力に換えていけるかどうかも考えてみてほしいと思います。

もう我慢したくないんだけど、何をどうしたらいいか分からないと言う方は、ぜひカウンセリングでご相談頂ければと思います☺
今月も皆様といろんなお話ができることを愉しみにしています♡

令和2月7月1日
摂食障害カウンセリング あや相談室主宰
摂食障害カウンセラー 長谷川あや

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