摂食障害専門カウンセリングルーム あや相談室

Home > 今月のひとこと > 3月のひとこと | 摂食障害専門カウンセリング あや相談室

3月のひとこと

●アンガーマネージメント
かわいらしい春の花に顔がほころぶ今日この頃。でも春はちょっとしたことでもイラっとしてしまう季節でもあるのです…。理由は諸説ありますが、なんであれ怒るのも怒られるのもイヤですよね(>_<)​​​​。そこで、今月は自分のために&家庭内や世界の平和維持のためにイライラを防ぐ「アンガーマネージメント」についてお話したいと思います♪

●怒りは6秒ルールでやり過ごす 
怒りのピークは6秒しか続かないと言われています。
「そんなの嘘だぁ~!」と疑ってるだけでは何も変わりません。まずはやってみること。これが大切です☆
ムカっときたら、その瞬間からあらゆる方法を使って6秒間をやり過ごしてください。そうすることで怒りを和らげることができます。
例えば、
1)さっとその場を離れる
2)目をつぶり、心の中でゆっくり「いーち、にーい、さーん」と秒数を数えることに気持ちを集中する。
3)コップ一杯の水を飲む。
4)深呼吸をする。←血圧が上がるのも防げます。
など。今から自分の生活に合う「6秒間ルール」をいくつか考えておきましょう。このルールは「冷静になる方法」としても使えるのでぜひ習慣にしたいものです。

●イライラの原因は「考え方のクセ」にある
イライラには怒り以外に「不安、悲しさ、不満、悔しさ」などの負の感情も含まれています。アンガーマネージメントでは、これら負の感情を「一次感情」、怒りを「二次感情」と分けて考えます。
一次感情は不安、不満、悲しさ、悔しさのことです。人はひとりひとり異なる「こうあるべき」というビリーフ(思い込み・信念)を持っています。この自分の信念を否定されたと感じた時「不安、悲しさ、不満、悔しさ」などの一次感情が心に生じます。
信念が強い人や信念を多く持っている人ほど、信念を否定されたと感じた時のショックは大きく、負の感情を強く抱きやすいのです。イライラしやすい人=自分の信念(こうあるべき!)が多い人・強い人と言えるでしょう。
一次感情に気づかずにいると、気持ちは二次感情である怒りへと発展します。
怒りをあらわにすることで他者との関係を悪化させる場合もあれば、怒りを心の内に溜め込むことで心身の病を発症させてしまうこともあります。後者が原因で、摂食障害やうつ病、不眠症に悩まされている方はとても多いです。
怒りの感情そのものが「悪」なのではありません。怒りの原因(一次感情)を相手に冷静にわかりやすく伝えられるようになれば、より良い関係に発展していくこともあります。怒りを上手に処理できるようになることは、自分のためにも他人のためにもとても大事なことなのです。

●「怒りをコントロールする」
まずは、あなたの怒りの原因となっている「こうあるべき!」という思い込み・信念を知ることです。
例えば、マナーやルールを守らない人を見て「許せない!」と感じる正義感や使命感が強いタイプは、他人がマナーやルールを守らない度にイライラしてしまいます。このように、「●●はこうあるべきだ!」「●●するのが正しいんだ!」という信念が強いと、他人の考え方を受け入れられなかったり、他人を見る目が厳しくなってしまいます。
他人からの評価を気に過ぎて、思うように扱われないとイライラしてしまう人もいます。
他人に合わせるのが苦手だったり、優柔不断な人にイライラする人もいます。
いわゆる良い子タイプも、実は「こうあるべき」を多く持っていることがあります。自分のルールや価値観をすごく大切にしている反面、頑固な一面があり、自分の考えと違う人の話に耳を貸すことが苦手とか。とは言え、人に嫌われたくないので、外見上はいつも笑顔をキープしています。でも、温厚そうに見える分、他人も意見を言いやすく、その度にイライラが心の中に溜まっていきます。このタイプは摂食障害に悩む方にも多く見受けられます。良い子を演じることで生じる強い疲労感とフラストレーションの反動として強い怒りや過食衝動が起こるのです。
自分の一次感情に気づき、それを相手にきちんと伝えられるようになることができれば、お互いに理解が深まり、誤解や偏見が減ります。良い変化を実感できると安心感が強まり、「こうあるべき!」という信念を頑なに守る必要もなくなります。すると強い怒りも過食衝動もなくなっていきます。

●自分のボーダーラインを知る
負の感情が心に発じやすい場所、情報、対人関係を知っておくことで、トラブルを減らすことができます。
あなたの信念が否定されそう=イライラしてしまいそうな場面を想像し、そうなったときどうすればいいかをシュミレーションしてみましょう。このときまずやってみてほしいのは、最初に書いた怒りの6秒ルールです。次に、それによって冷静さを取り戻した自分をイメージします。

●Iメッセージ
人に自分の気持ちをうまく伝えるために、「Iメッセージ」を活用しましょう。文の主語を「You(あなたは)」ではなく、「I(私は)」にするのです。たとえば、遅刻してきた相手に対して、Youメッセージで「(あなたは)なんで遅刻するの?(あなたは)いつもそうだよね。(あなたは)私のことなんてどうでもいいんでしょ?いい加減にしてよ!もう帰る!」と怒れば、相手もついつい反論・反撃したくなります。
これをIメッセージにすると、おっと!その前に、まずは二次感情である怒りを(6秒ルールで)ぐっと抑えましょう。次に不安や寂しさや心配などの一次感情を感じましょう。そして、その一次感情をIメッセージ使って素直に伝えるのです。
「あー、(私は)会えてよかった~。(私は)ホッとした。(私は)一人で待っていて心細かったし、何かあったんじゃないかと思ってすごく心配したんだよ」という風に。
アイメッセージを活用すれば、相手もきっと「心配させて不安にさせて悪かったな。次は気を付けよう」という気持ちになるはずです。

●アンガーノート❤
イライラしたら、その理由をノートに書いておきましょう。翌日、或いは冷静になってから、それはどんなシチュエーションで、どんな一次感情が沸き、どうしたら怒りを鎮めることができたかを考え、それらを書き足します。こうすることで、次に同じようなことが起こったときに対処しやすくなります。
このように「テーマ」のはっきりした前向きな日記は自分の主観を客観的に観察することができるのでお勧めです。くれぐれも自責日記にはしないように。

「イライラしそうなシチュエーションには必ず人間関係が絡んでくるので、自分ひとりではどうにもできない」「自分の信念が分からない」などと思われた方はぜひカウンセリングでご相談いただければと思います。アンガーノートをお持ち頂ければ、より客観的な対処法を見つけることができます☆

話すことは心を放ち&自分の気持ちに気づくこと。
自分の気持ちに気づくと、自分に合う行動をする勇気が沸いてきます♪
今月も皆さまといろんなお話しができることを愉しみにしております。

2017年3月1日
摂食障害カウンセリング あや相談室主宰
摂食障害カウンセラー 長谷川あや

«
»
ページの上に戻る