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5月のひとこと

今月は「笑顔」がテーマ♡

●嘘でいいから笑え!
 俳優の塩見三省さんは2年前に脳出血で倒れて5ヶ月間入院されていました。退院し俳優業に復帰した今も厳しいリハビリ治療を継続されています。
 彼はリハビリが辛すぎて心が折れそうになったとき、医師から「笑っていなさい」と言われました。「嘘笑いでもいいんですか?」と聞いたら「そうだ」と言われたので、リハビリ中「笑え、笑え、笑い顔で笑え」と自分に言い聞かせて笑っていたら、気持ちに変化が出てきたそうです。
 「笑うと脳に良いそうですよ。いちばん苦しいときに笑う。笑顔になるのが僕のテーマです」とおっしゃる塩見さんの笑顔は本当に素敵でした。人に勇気を与える笑顔だなと思いました。

●「記憶」ではなく「記録」として残す
 厳しいリハビリを地道にこなして来た塩見さんですが、外部との交流を絶っていたため、孤独と不安感に苛まれていきました。
 ある日、彼はこのままではダメだ!と思い、リハビリ風景などを記録してそれを公開することで今の自分の状況をシェアすることを考えました。そうやって周囲に自分の状況状態を伝えて理解してもらうことで、一人で抱えてきた不安やストレスなどを軽減できたそうです。

●笑うから幸せなのだ
 『幸福論』で知られるフランスの哲学者、アランの言葉、「人は幸福だから笑うのではない。笑うから幸福なのだ」「(人生の)雨の日ほどいい顔をしていたまえ」をご存じの方も多いと思います。
 彼は「悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるものである」とも言っています。なるほど!と思いますが、アドラー心理学同様、「そうかもしれないけど、そんなに簡単なものじゃないのよ…」とも思います^^;
 私の摂食障害の克服体験からしても、先に書いた塩見さんの体験談からしても、辛いことが起こったとき、そんな現実を否定し悲観し自暴自棄になる時期はあって当然だし、必要な時期でもあると思うのです。大事なのはその後です。
 「なんで?どうして?」と原因追及しても辛いだけだ。何を頑張っても全くゴールが見えない。「同じ病を経て回復した人、しつつある人はこんなときどう過ごしていたんだろう?」そう思うようになったら次の段階です。
 まずは彼らと知り合う「勇気を持つ」ことです。勇気をもらえると安心します。塩見さんは同じ施設で懸命にリハビリしていた長嶋茂雄さんの姿にとても励まされたそうです。
 次に、周囲の人たちに自己開示して今の自分の状態を理解をしてもらうこと。心の病は目で見えない分、体の病より理解してもらいにくいと思われがちですが、塩見さんのように脳卒中で倒れた人の絶望感、リハビリの辛さもそれを経験していない人には理解できないと思います。そもそも「自分と他人は絶望的に違う」ということを知っていれば、アランの言葉のように楽観的ほどにはなれずとも悲観的にもならずにいられるかもしれません。

●自分と他人は絶望的に違う
 私と全く同じ言動や考え方をしている人はいないんですよね。それを「理解してもらえない」と悲観するのではなく、「理解してもらえなくて当然」なのだから少しでも理解してもらえるよう、自分側に努力と工夫が必要なのです。自分と他人は違っていることを「前提」に考えるのと、「自分は正しい」と思って考える(接する)のでは関係は全く違ってきます。
 自分が見ている現実は、現実のほんのほんの一部です。同じ場所にしても人それぞれ見ているものが異なることは大いにしてあります。これは防衛本能によるものです。本能的に今の自分にとってマイナスな部分(不安材料、危険なこと、ダメなことなど)を優先してみるようになっているからです。同じ場所にいても、不安を多く抱えている人ほど不安なところにばかり目がいってしまうということです。
 でも、防衛本能に従って生きているとなかなか楽しめません。なかなか笑えません。笑えないと明るくなれません。何故なら明るいところに人は集まってくるからです。
 嘘笑いでもいいから笑っていよう!笑顔でいたら病状や他人との関係がどんどん良くなっていった塩見さんのように、自分が笑顔なら相手も笑顔になれます。すると目に見えるものが明るいものに変わってきます!これは単なるキレイゴトではなく、科学的根拠のある確かな情報です^^

●第一印象は2秒で決まる!
 第一印象は2秒で決まると言われています。春になり新しい生活が始まった方も多いと思います。2秒で決まったあなたの印象はその5秒後も1分後も変わりません。最初に2秒に全てが出ます。姿勢を正し、相手の方の目をしっかり見て、口角を上げて笑顔で接しましょう♪
 ちょっとしたことの積み重ねですごい差が出てきます。人はちゃんと見ています。見てくれています。あなたからも笑顔でいたいから笑顔でいる自分を人に見てもらってください。笑顔だけじゃないです。なんでもそうですよね。人からやらされている気持ちでやるのではなく、自分がしたいからしていると考えると全然違ってきますよ。

 このひとことやブログの書き込みはいつも自分自身に向けて書いています。なるほど!と思ったことを書くことで更に納得し、それらを実行して習慣にしていけたらいいなと思いながら…(笑)
2016年5月1日
摂食障害カウンセリング あや相談室主宰
摂食障害カウンセラー 長谷川あや

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