摂食障害専門カウンセリングルーム あや相談室

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2月のひとこと

「私の話を聞いてください」と頼むと、あなたは助言を始めます。
私はそんなことは望んではいないのです。
「私の話を聞いてください」と頼むと、あなたはその理由について話し始めます。申し訳ないと思いつつ、私は不愉快になってしまいます。
「私の話を聞いてください」と頼むと、あなたは何とか私の悩みを解決しなければという気になります。
おかしなことに、それは私の気持ちに反するのです。
祈ることに慰めを見出す人がいるのは、そのためでしょうか?
神は無言だからです。助言したり、調整しようとしません。
神は聞くだけで、悩みの解決は自分に任せてくれます。
だからあなたも、どうか黙って私の話を聞いてください。
話したかったら、私が話し終えるまで少しだけ待っていてください。
そうすれば、私は必ずあなたの話に耳を傾けます。
<聞いてください (作者 ラビング・イーチ・アザーさん)>

 カウンセラーならば誰もが知っている有名な言葉です。学校のPTA主催の行事などでもよく配布されてるようです。
これは傾聴と言って、耳と目と心で・・・要するに全身を使って相手の方に興味を持ち、その方の心に寄り添うということ。
実際にやってみると分かりますが、傾聴する側の人間に傾聴のスキルと覚悟、そして心の余裕がないとなかなかどうして。かなり難しかったりします。
なぜならば、頑張って傾聴するとその頑張りが相手の方に伝わってしまい、結局相手の方を緊張させたり、気を遣わせてしまうからです。
自然体で傾聴ができるようになるにはそれなりの訓練が必要ですが、このスキルを学んでおくと、まずは自分の心と向き合えたりするので損はないです。

 人身事故で電車のダイヤが大幅に乱れていた日のことです。
スポーツジムに行ったら、知り合いのおばさま方から、
「電車が止まっちゃって参ったわよ。ったく、迷惑な話よね。でもさ、私たちみたいに毎日こうしてなんでもしゃべっていたら死にたい気持ちになんてならないのにねぇ!」と言って笑っていました。
迷惑なのは否めません。でも私は笑えませんでした。
 彼女たちのように、「悩み事があるときは友達に話せばいいも~ん」とふつうに思える人はきっと大丈夫でしょう。上手に人に甘えられる・弱音を吐ける人だからです。羨ましいです。
 でも、私は悩みごとを誰かに気軽に話せません(苦笑)。気軽だろうが気重だろうが話したくないのです。人に悩み事を聞いてもらうこと自体に疲れてしまうからです。かといって、ひとりで悩み、ネガティブな思考を放置しておくことが得策ではないことも、今は充分に分かっています。
 だから、本当に辛い時は、知り合いのカウンセラーのところに相談に行きます。私には、なんでも話せる・相談できるカウンセラーのAさんと、どうしようもなくなったら頼ろうと考えているカウンセラーのB先生がいます。
Aさんも何かあれば私のカウンセリングを受けに来ます。私たちは、傍から見たら友達同士にしかみえないと思います。
でもどんなにフレンドリーな会話になろうとも、どちらかがカウンセリングの予約をして会っているわけですから、当然カウンセリング料金がかかります。
でも、そういう関係なので(私とAさんとは利害関係がないからこそ)何でも気軽に話せるのです。そういう意味では本当に友達みたいです。もしかしたら友達以上かもしれません。Aさんは、私が他人には話せない・話したくないことも安心して話せる大切な存在です。
 私が、AさんやBさんに会うのはよほどのことがあったときだけですが、「何かあったら必ず会える!」「なんでも話せる!」という相手がいることが、私の強い心の支え(安心感)になっています。
 
 私のカウンセリングをリピートしてくださっている皆さんも、私と同じように思ってくださっているのではないかと思っています。私は皆さんの友達ではないけれど、いつでも気軽に何でも相談できる友達みたいな存在に思っていてくださると嬉しいです♪
 先日久しぶりにお会いした、育児奮闘中のSさんからも「あやさ~ん。本当に会いたかったよ~~!優しくて本当に性格の良いママ友がちゃんといるんだけど、過食のこととか育児の悩みとかが言えるのは、あやさんしかいないもん!」と言われました。
嬉しかったです(*^_^*)私も、そんな友達みたいな人がいて、その人に甘えられたなら育児ノイローゼにはならずに済んだと思うから。
 甘えられる人を見つけること、そしてその人に甘える勇気を持つことは年齢・性別問わず、すごく大切なことだと思います。

2012年2月1日 
摂食障害専門カウンセリング あや相談室主宰
摂食障害カウンセラー 長谷川あや

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